さて先週の『よろしくお願いします』は英語で何て言うの?Part Iの続きです。
「念を押す」ほかにはどんなシチュエーションがあるでしょうか。
「よろしくお願いします」と言ってペコリと頭を下げている様な場面と言ったら...。
そうです。 やっぱり挨拶でしょう。そんなわけで...
<例1> 初めて会う人との挨拶。新居先でのご近所さんへの挨拶、会社で訪問先への挨拶...
できるだけ日本語と同じ長さになる英語にしてみました!
A: ○○と申します。 | A: My name is ○○. |
B: どうも。○○と申します。 | B: Hi. My name is ○○. |
A: よろしくお願いします。 | A: It's very nice to meet you. |
B: こちらこそ。 | B: Likewise. |
「ほんとに同じなの~?」という感が残る人もいるかもしれません。
まぁ当然と言っちゃぁ当然で、Part Iでも書きましたが、やはり日本語と同じ様な感覚で全く同じ意味の英語はないのです。
ただ、やはり人として、好意を示すために何か言いたい気持ちは英語でも日本語でも一緒なのです。
ここでは、日本語の方は「これから何かとお世話になること」を「お願い」したいのに対して、英語では「出会えたことは良いことですね」だから「この先お互い何かとお世話になるでしょうね」ということを含みたいところなのです。
こうなると、何語の方があいまいだなどと言ってられなくなりますね。
もう一つ例を出しておきましょう。
<例2> まさにこれから一緒に何かをする、気合いの「よろしくお願いします。」 まさに今から舞台で歌おうとしているシンガーグループ、今から試合に出るチームメイト、これからプレゼンをするぞという同僚達...
A: はい、次だよー! | A: OK, we're next! |
OTHERS: よろしくお願いしまーす! | OTHERS: Let's have fun! |
こちらも「それでいいの~~?」と思われる人がいるかもしれません。
この場合、日本語で「お願い」している内容は何でしょうか。
何となく「協力」を促している、と感じるのは私だけでしょうか。
「一緒にいて下さいね」という気持ちは良い結果を望むからですよね。
たまたま上の例ではこの「良い結果」を“fun”と表しましたが、ほかにも色々考えられるかとは思います。
“Let's show them what we got!” とか “Let's go for it!”, “Let's do it!”, “OK, let's go!” なーんていうのも自然です。
英語でも日本語でもやっぱり人と人とのコミュニケーション。一見、曖昧だなぁと感じる表現でもその言葉の中身を見て、実際には何を伝えたくてこういう言い方が出てきたんだろう?と考えるようにすると、「日本語にしかない」または「英語にしかない」と思われる表現でも何とか伝えられる様になってくると思います。
ちなみに私が英語を学び始めた12~13歳の頃、"red"=「赤」や、"beautiful"=「美しい」など、完全にマッチする表現は別として、"Nice to meet you":「よろしく」の様な例文を見るといつも「どうして同じシチュエーションにかかわらず、日本語では『よろしく』と言うのに、英語では『会えてよかった』と言うのだろう。そもそも『よろしく』って何だ?」などなど色々と考えていました。そういうのが、後に「英語で考えられる脳」になるのに大いに貢献したんじゃないかと思います。英語でも日本語でも違和感なく表現できるようになるための大事な一歩かなぁと思います。